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アーグネシュ紹介

土を通じて 私の宇宙と生命

いつのまにか、うずまき作家と呼ばれるようになりました。
オブジェや器など、すべての作品は、土の帯でクルクル巻いたり、巻きつけた形からです。
初めてつくつた渦巻きの作品は、1993年、オランダのスタジオ(EKWC)で創った“SPIRAL”のオブジェでした。
それは最初は、ちいさなカタツムリのかたちから生まれました。
それから、粘土のおびをひたすら、毎日毎日巻きつづけました。直径1mの大きな渦巻きが出現しました。
“何かが見つかった”
“SPIRAL”の魅力はなんだったでしようか
渦巻きに吸い込まれて、中心を追いかけて、どんなに深く入り込んでも、そこまでは到達しないのです。
そして逆に反対方向に進むと渦巻きは何処までもつづけているのです。
“SPIRAL”は、遠心力も求心力も持つています。そしていつも動いています。
脈打ち、鼓動し、まさに生きることを表現する形、生命の”SYMBOL”です。
土の帯を巻きつけ、包み込んだ.”OBJECT”は、ありえないような生き物達のミイラ、それはとても不思議な雰囲気を創造して、エジプトをおもいうかばせる。
オブジェのなかは空洞です。本当は形がないものを帯で包むと形が出現します。
立体の丸、三角、四角、(○、△、□)を中心に、土の帯で描くように、そのもの実体と空間をしらべています。
○、△、□は東洋哲学の禅の精神では、すべての意味を持つ宇宙のシンボルです。
現在、真理をもとめて研究しつづける人々、何か新しい発見をめざす科学者の皆さんのように、わたしの研究室[陶芸工房]で日々、“全てを受け入れる土”を通じて私の方法で宇宙と生命の研究をつづけます。
2005年2月4日 アーグネシュ・フス

アーグネシュ・フスの陶芸について

アーグネシュ・フスの陶芸作品は、オブジェと器、いずれも一貫したコンセプトで制作されている。
陶土を薄く帯状に伸ばしてぐるぐると巻きつけるユニークな手法によって形を作り出し、空間を生み出す。
渦巻きは水面の波紋のように広がっていくこともあれば、触れることのできないゆらぎのような空間を包みこんでいることもある。
まるで生きているかのように形を変える、その自由さが魅力なのだろう。

作者は1990年にハンガリー国立美術工芸大学陶芸科の修士課程を修了、1993年にオランダのヨーロッパ陶芸ワークセンターでの滞在時に初めてうずまきのオブジェを制作した。
以来、日本に拠点を移した現在も、渦巻きの造形にとりくんでいる。
渦巻きには始まりも終わりもなく、求心力と遠心力とをあわせもつ。
脈打ち、鼓動する形は、生命や宇宙の象徴だと作者は考えている。

須坂版画美術館では、アーグネシュ・フスの陶芸と若林文夫の銅版画による展覧会「色のコスモス/形の宇宙」を開催している(2005年10月25日まで)。
宇宙や生命をうつしだす2人の作品が、互いに響きあう空間を楽しんでいただければ幸いです。

須坂版画美術館 学芸員 杉本あゆ子